- 2020.08.03
- コラム
日本の住宅の82%は『断熱性不足』
平成30年の「住宅・土地統計調査(総務省)」によると、全国の既存住宅5,362万戸のうち、3,633万戸(67.8%)が「すべての窓が一枚ガラス」、764万戸(14.2%)が「一部の窓が複層ガラス(二重窓含む)」、併せて4,397万戸(82.0%)が窓の断熱対策が施されてない住宅であることが分かりました。つまり、日本の住宅の82%は『断熱不足』なのです。
都道府県別に見ると、寒い地方ほど断熱窓の構成比は高い傾向にありますが、年最低気温は、沖縄以外は5℃未満で日本全国どこでも冬は寒いのです。それにもかかわらず、断熱住宅(二重窓)の構成比は全国平均で約15%と、冬に寒い家が圧倒的に多いのが実情です。
断熱性の悪い家は、夏、冬に家全体を快適温度に保つことが困難です。特に、冬、暖房している部屋と暖房していない部屋間の温度差は20℃以上になり、命を落とすヒートショック(急激な血圧上昇降下)を起こしかねません。寒い冬、気温差によるヒートショックで意識を失い浴槽内で溺死(できし)してしまう人は、東京都健康長寿医療センターの研究報告(平成26年3月26日)によると年間約17,000人にのぼります。
また、断熱不足の家は、冷暖房するために多くのエネルギーを必要とし、地球温暖化の原因となるCO2を多く排出しています。地球温暖化による気候変動の影響により、過去の観測を上回るような短時間強雨や台風の大型化などによる自然災害が頻発してます。地球温暖化対策、待ったなしです。
人々の健康維持増進のため、地球温暖化対策のために、82%もの既存の断熱不足住宅を早急に断熱改修(断熱性を高めるリフォーム)しなければなりません。対策は急務です。まずは、お住まいの断熱性(保温性)を確認するために、省エネ建築に詳しい専門家にご相談してください。
エネルギー消費量を減らしながら、日本の家から”寒い”を無くしていきましょう!
【補足】
総務省では、我が国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにする目的で5年ごとに「住宅・土地統計調査」を実施しています。261にも及ぶ調査項目の中に「省エネルギー設備等」があり、窓の断熱性(窓ガラスの種類)を調査しています。
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