- 2025.02.28
- イベント
【レポート】第4回パッシブハウス軽井沢視察ツアー(ロングライフ・カレッジ)
生活者が気軽に”持続可能な社会づくり”について学べるロングライフ・カレッジの一環として、「パッシブハウス軽井沢視察ツアー」を先日2月20日に開催いたしました。
4回目の開催となり、今回は建築に関わる方が多く参加されました。
■「第4回 パッシブハウス軽井沢視察ツアー」開催概要はこちら
【視察ツアープログラム】
長野県にある世界基準の省エネ建築物(パッシブハウス)オフィス・住宅の空間を真冬に体感。
各物件で設計に携われたお二人より、社会的な意義を踏まえた貴重なレクチャーもいただき、建築のお話だけでなく、設計した想いや、暮らし方や在り方ついて考えることができました。
①オフィス「木下建工株式会社様 新社屋【NHQ1】パッシブハウス Low Energy Building」@佐久市
②住宅「追分の家(パッシブハウス)」@軽井沢町
どちらの建物も、高断熱高気密な性能と日射取得に加え、再生可能エネルギーを活用することで、とても少ないエネルギー(ほぼ暖房無し)で建物じゅうが23~24℃の快適環境になっています。日本は建築物からのCO2排出量が、日本全体のCO2排出量の約3分の1を占めていますが、今回の2物件はCO2排出量はゼロ(正確にはマイナス)。
また、ふんだんに使用されている自然素材により、空間の快適性や心地よさをより感じることができる、地球にもやさしく、人の身体と心にも良い影響を与えてくれる建物です。
2物件ともに、設計に携われたお二人より、社会的な意義を踏まえた貴重なレクチャーもしていただきました。
■「木下建工様新社屋」木下建工株式会社 常務取締役 木下史郎さんより
高断熱木造で施設をつくる利点や、美しくエコな公共施設やオフィスは脱炭素への関心が高い成長産業を地域に呼び込む力となる可能性があることなど、高性能な魅力あるオフィスの可能性をお話いただきました。
■「追分の家(パッシブハウス)」一級建築士事務所キーアーキテクツ 代表取締役 森みわさんより
一般社団法人パッシブハウス・ジャパン 代表理事とロングライフ・ラボ理事を務められている森みわさんから、設計のきっかけやコンセプト、衣食住から考える暮らしについてお話いただきました。
私たちが暮らす建物が住宅だけでなく非住宅(オフィスや公共施設)でも、もっと地球にも人にもやさしくあるべきだと思います。今回見学した建物は、地球と私たちの暮らしを持続可能にするために欠かせません。
今回も参加者様に楽しく学んでいただけたこと、多くの気づきを持って帰っていただけたことに感謝いたします。また、このような貴重な機会を提供、ご尽力いただきました木下様、森様に感謝申し上げます。
最後に、ご参加いただいた皆さまの声を一部ピックアップしてご紹介します。
■参加者さまのご感想(アンケートの一部抜粋)
【木下建工様 新社屋】
●自社の社員にも暖かい社屋で仕事させてあげたい!地域のためにもやりたいと思いました。
●日々の暮らしの中で滞在時間が長い職場の見直しは盲点であった。加えて高断熱な建物は住宅だけでなく、人が滞在する場所全てが該当されることを再認識した。
●木造住宅の高性能住宅の考え方が、社屋の規模にも活用出来る可能性が非常に印象的でした。
●失敗談としてお話しされていた、エアコンの風の流れの例をお聞きして、目に見えない風の流れ、換気の流れなどが計算されてあるからこそ、心地よいと感じる感覚として自分自身に伝わってくることがとても腑に落ちました。
●パッシブ建築を建てようとした経緯やプロジェクトを完遂させるまでの話に説得力があり、大変引き込まれました。経営者としてのバランス感覚と強い意志が建物にも反映されていると思いました。建物は上品さとしなやかさがあり、デザイン的にも得ることが多く、見学にとても満足しました。ありがとうございました。
【追分の家(パッシブハウス)】
●パッシブデザインがこんなに効率的でカッコいいとは思わなかった!本当に感動した。
●住宅性能、設備だけではなくより大きな目標を軸として言行一致にて住宅設計を行われている事に感銘を受けました。
●断熱だけでは無い環境意識の高さ感銘受けました、鶏の話をされてましたが本当に私も同感しておりアニマルウェルフェア大切です。
●温熱環境はもちろん、プランとデザインの素晴らしさ。森さんの家づくりを超えた地球環境に対する想いが素晴らしいです。私も地球を守れる生き方をしたいと思っています。
●性能は当たり前ですが、プランニングや設備の多様な使い方、昔の民家本来の良さや可能性まで考えられていて、今後の活動に希望を持つことができました。
●まずは無暖房なのに足元が暖かいこと、浴室がかびないこと、そんな家が本当にあることを体感して感動しました。また、「ないものは作っていく」という森さんの力強いお言葉、信念が胸に響きました。現行一致も、今日から私のできることから、こだわっていきたいところから始めていきたいと思いました。今後も、勉強していきたいと思います。
●パッシブハウスだけでなく、衣食住学んだと思っています。既製品を使うだけでなく、ものづくりの考え方も当たり前に設計されていて勉強になりました。
●パッシブハウスならでは利点を活かし、間仕切りがなく、階段で緩く仕切ることで空間に多様性が生まれていて良かったです。
●森みわさんの説明の衣食住を考えること。自分の提案することに反する生き方をしていないか考える機会になりました。
●敷地に呼ばれたという森さんの最初のくだりに、設計者としてひきつけられました。実際、プランも明快でパッシブハウスとしても、敷地への解答としての建築としても逸さを感じました。また、森さんの地球や環境へのコンセプトは、次の世代に残るものを作る設計者として強く共感しました。明るいお人柄にも魅力を感じました、ありがとうございました。
【全体のご感想】
●エネルギーだけクリーンにしても意味がないなと感じました。エネルギー使用量を減らしたり、自給することの重要性が理解できました。
●いろんなものとの共存共栄ということを深く考える視察になりました。パッシブハウスに取り組む意義が見つかりました。
●家もオフィスも快適にする必要があると思いました。
●どの建物にも高断熱なが必要であることの再認識。
●地球のことを、持続可能なエネルギーのことを考えていきたいと思いました。
●住宅だけでなく店舗やオフィスにも考え方が浸透したらよりよい環境になるのかと思います。
●外皮数値だけでなく、エネルギー創生と消費に目を向けた設計を本気でやろうと思いました。
●参加者の皆さんと交流でき刺激を受けました。
●参加者の方との交流も充実しており楽しかったです。また機会があれば参加したいと思いました。
●住宅省エネ以外の地球にやさしい生き方のお話ができる方が多くとても有意義な時間でした。
●全国から志の高い方が集まり、交流できることが最高だと思います。
●建築のことは何も分からないながらも、とても心に届く内容となりました。すぐにアウトプットします。