- 2025.01.17
- 環境
2024年 世界平均気温が産業革命前と比べて1.5℃を超える!
欧州連合(EU)の気象情報機関 Copernicus Climate Change Service (コペルニクス気候変動サービス) は、「世界平均気温が2024年は産業革命前の水準より1.60℃高く、初めて1.5℃上回る年となった」と発表しました(2025年1月10日発表)。
直近の3年間の産業革命前からの温度差に着目し(下図)各年前年と比較すると、2022年は温暖化がやや進行し(前年比102.6%)、2023年は著しく温暖化が進行しました(前年比125.4%)。2024年はさらに進行していますが上昇率はやや鈍化(前年比108.1%)しています。コペルニクス気候変動サービスは、2023年の急激な気温上昇はエルニーニョ現象が影響し、エルニーニョ現象のピーク後の減少が比較的緩やかで2024年にも影響を及ぼしたと分析しています。
温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」で、各国は世界の平均気温の上昇幅を産業革命前と比べて1.5℃に抑えるよう努力することを目標に掲げています。また、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書(2021.8.7発表)によると、世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃を超えると、10年に一度の異常気象が『熱波:4.1倍』『豪雨:1.5倍』『干ばつ:2倍』になると報告されています。
そこで、2022年6月から国連広報センターとSDGメディア・コンパクト有志(全国のテレビ局や新聞社など)が共同で推進する気候キャンペーン「1.5℃の約束-いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」が展開されてきました。これが、いわゆる『1.5℃の約束』です。
▼国連広報センター
https://www.unic.or.jp/news_press/info/49660/
通常、産業革命以前の世界平均気温は1850~1900年の平均気温とされており、1.5℃を超えたことを確認するには20年から30 年の平均気温が必要であると一般的に認められています(コペルニクス情報サービスの発表内容の一部要約)。
つまり、産業革命以前の水準より1.5℃を超える年が1~2年あったとしても、『1.5℃の約束』を守れなかったことを意味するわけではありません。今一度、これ以上温暖化が進行しないように地球温暖化対策を進めていきましょう。