2024.12.10
イベント

【レポート】第3回パッシブハウス軽井沢視察ツアー(ロングライフ・カレッジ)

生活者が気軽に”持続可能な社会づくり”について学べるロングライフ・カレッジの一環として、「パッシブハウス軽井沢視察ツアー」を先日11月28日に開催いたしました。
昨年に引き続き、今回で3回目となり、参加者様は建築に関わる方をはじめ、他にも様々な仕事や取り組みに携わる皆さまに参加いただきました。

■「第3回 パッシブハウス軽井沢視察ツアー」開催概要はこちら

視察ツアーの内容は、長野県にある世界トップレベルの高性能なオフィス・住宅&真冬にパッシブハウスを見学&体感しました。
①午前:エコオフィス(木下建工株式会社様 新社屋【NHQ1】パッシブハウス Low Energy Building)@佐久市
②午後:「追分の家(パッシブハウス)」@軽井沢町

どちらの建物も、高断熱高気密な性能と日射取得に加え、再生可能エネルギーを活用することで、とても少ないエネルギー(ほぼ暖房無し)で建物じゅうが23~24℃の快適環境になっています。日本は建築物からのCO2排出量が、日本全体のCO2排出量の約3分の1を占めていますが、今回の2物件はCO2排出量はゼロ(正確にはマイナス)。
また、ふんだんに使用されている自然素材により、空間の快適性や心地よさをより感じることができる、地球にもやさしく、人の身体と心にも良い影響を与えてくれる建物です。

2物件ともに、設計に携われたお二人より、社会的な意義を踏まえた貴重なレクチャーもしていただきました。
「木下建工様新社屋」では、設計施工された木下建工株式会社 常務取締役 木下史郎様から、高断熱木造で施設をつくる利点や、美しくエコな公共施設やオフィスは脱炭素への関心が高い成長産業を地域に呼び込む力となる可能性があることなど、高性能な魅力あるオフィスの可能性をお話いただきました。
「追分の家(パッシブハウス)」では、設計された 一級建築士事務所キーアーキテクツ 代表取締役で、一般社団法人パッシブハウス・ジャパン 代表理事とロングライフ・ラボ理事を務められている森みわさんから、設計のきっかけやコンセプト、衣食住から考える暮らしについてお話いただきました。

私たちが暮らす建物が住宅だけでなく非住宅(オフィスや公共施設)でも、もっと地球にも人にもやさしくあるべきだと思います。今回見学した建物は、地球と私たちの暮らしを持続可能にするために欠かせません。
世界トップレベルの高性能なオフィス・住宅を学び、真冬にパッシブハウスを体感できる貴重な機会を企画し、参加者の皆さんに多くの気づきをご提供できました。

次回は2025年2月開催を予定しております。詳細が決まり次第、改めてWEBページに公開いたします。
最後に、ご参加いただいた皆さまの声を一部ピックアップしてご紹介します。
■参加者さまのご感想(アンケートの一部抜粋)
【木下建工様 新社屋】
オフィスが快適になると暮らしに対しての向き合い方を考え直すきっかけにもつながると感じた。
快適なオフィスというものが想像出来なかったが、実際に体感することが出来て概念が大きく変わった。
住宅でなくても基本的な考え方は同じであって、住宅以外にも活用できるということがわかりました。
事業継続性の高い建物である工夫が随所に見ることが出来ました。
低断熱スパイラルの説明が非常に腑に落ちた。いわゆる普通の建材、設備を使用してこれだけの建築・空間が実現することに驚きました。
大きな窓があり、外の景色もよく、室内の温度も快適でとても過ごしすいオフィスでした。仕事する場(オフィス)というより、快適な居場所という表現のほうが適切かもしれません。良い環境があるから、良い仕事ができるのだなと感じました。スタッフの方々も楽しそうに働いている姿が印象的でした。

【追分の家(パッシブハウス)】
デザイン設計だけでなく、設備も含めた設計・考えが凄く重要だということ。地産地消という考え方がとても参考になりました。
エネルギーシフトの暮らしがみれてよかったです。公共の劣悪な施設環境がかわることを待つのではなく、自分から変えていきたいと、森さんのお話を聞いてますます思いました。
考え方、住まいだけでなく衣食住の大切さ。
パッシブハウスということでの快適性だけでなく、全く設備の存在感を感じさせない考え抜かれた意匠であり、間取り含めて快適さに感動しました。本当に素晴らしい設計は、何もストレスがなさすぎて、これ見よがしでないこと、自然であることだな、、と感じます。
実際に外気温1桁の日にパッシブハウスを体感することができ、凄さを実感しました。
“パッシブハウスにすると人を呼びたくなる”と言う言葉に魅力を感じました。
人にも環境にも地球にも優しいパッシブハウスは、これからの未来に伝えていきたい宝物だと感じました。人生の大半を過ごす家が快適だと、自分にも他人にも優しくなり、人生を豊かに過ごすことができると感じました。今日学んだこと、感じたことを、周りに伝えていきたいと思います。

【全体のご感想】
現物をみながら、体験しながらの説明はわかりやすかった!
住宅以外の建築が、より省エネルギー化が進むための取り組みが必要と感じました。残念な公共建築も増えているので、民間のオフィスも含めて、何かしら取り組みをしていく、深く考えたいという思いが強くなりました。
前回の第6回シンポジウムでの「教育」もそうでしたが、幼少期にいい建物で育つ事が大事なのかなと感じました。
日々仕事をしているとできない理由ばかり目が耳がいってしまうのですが、実際にやっている事例を見てきた経験が、できない理由を吹っ飛ばしてくれると思います。

【第1回&第2回視察ツアー】レポートはこちら

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