2023.08.17
イベント

【レポート】山形県高等学校教育研究会夏期研修会に登壇

去る8月7日、山形県立高等学校 家庭科の教員(35名)が集まる『家庭と福祉科教育に関する夏期研修会』に当団体 代表理事清水が講師として登壇いたしました。

そもそも、なぜここにお招きされたかというと、2020年9月に山形県立小国高校 家庭科教諭の加藤真央先生からご依頼を受けて、家庭科特別授業を実施したことから始まります。小国高等学校で実施した特別授業を是非、他の家庭科の先生方に体感して欲しいという加藤先生の熱い思いから、ついに実現にいたりました。
【参考】小国高校特別授業「住まいと健康」はこちら

ところで、現代の家庭科は『衣・食・住』のみならず、SDGsや福祉、高齢社会など多岐に渡りとても苦労されていおり、特に『住』に関しては教員になる過程で深く学ぶ機会が少ないため、困っている先生が多いそうです。
そこで、今回は住をテーマに『住まいと健康~寒い家が健康に与える影響と対策~』と題して講演させていただきました。
皆さん、真剣に聴講いただき、多くの気づきをご提供できました。

【ご意見・ご感想】アンケート回答より
初めて知ることばかりで、普段暮らしている建物がこんなにも健康に影響を与えていると考えさせられた。
住生活に関する研修会は貴重で、今回はとても参考になりました。
【初めて知って(気づいて)、家庭科授業で生徒さんにお伝えたいこと】
住宅の寒さと健康リスク、寒い家が健康に与える影響について
熱中症の注意喚起はよく聞くが、ヒートショックの死亡者数が16倍も多いのにあまり注意喚起がされていないこと
住まいを選択する際に、保温性や保冷性を選ぶことは、住まいの基本的な役割である
断熱不足は人権問題であること(命を守る最低限のこと)
健康を守れる住まいが環境を守れること

今回はなんと、一般社団法人パッシブハウスジャパン代表理事 兼 当団体の理事である森みわ氏にもご参加いただきました。
▼森理事からのコメント:
「私が記憶している30年前の家庭科の授業よりも、社会的な役割がとても大きくなっている教科だと感じました。健康な暮らしと省エネの大切さを子供たちに伝えるのに最も適した教科だと思う反面、分野が多岐にわたり先生達の負担もとても大きい様子です。
それでも住というテーマは子どもたちにとって大変身近なテーマですから、彼らにインプットするチャンスを逃したくないですね。」

山形県では全国に先駆けて、高気密・高断熱の独自の基準を定めて「やまがた省エネ健康住宅」として普及を進めています。
「やまがた省エネ健康住宅」とは、最も寒い時期の就寝前に暖房を切って翌朝暖房を稼働させない状況でも室温が10℃を下回らない断熱性能と気密性能を有する住宅のことで、今回の研修会の中でも取り上げました。

是非、先生方が研修で知り得たことを教育現場で活用していただければ幸いです。
このような機会をご提供いただいた関係者の方々に感謝いたします。これからも教育(共育)を通じてより良い社会を築いていきます。

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